※創業当時(昭和33年頃)の写真です。
2015年9月、国連サミットで「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」が採択されました。
これは最近よく耳にするSDGsのことで、国連加盟193か国が、2016年~2030年までの15年間で達成するために掲げられた国際社会共通の目標です。
貧困や飢餓、環境問題、経済成長、ジェンダー・・・
誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国・途上国が一丸となって達成すべき目標として構成されています。
食品を扱っている私たちにとって、食品ロス(フードロス)削減に向けて社内でもいくつかの取り組みを行ってきました。
食品ロス削減は、目標12「つくる責任 つかう責任」(持続可能な消費と生産)として位置づけられ、「食品廃棄物の削減や活用」の一環としてSDGs実践方針の優先課題とされています。
芝寿しでの食品ロス対策の一部事例
当社での食品ロス対策の一部事例をご紹介いたします。
笹寿しに使っている魚を卸して切るときにはどうしても端材が出てしまい、「使えるであろう部分」でも廃棄するしかありませんでした。
そこで、製造部笹ライン担当者から、
『この鮭の端材を使って、鮭フレークを作ることが出来るのではないか?』
という発案から、今まで使っていた鮭フレークと比較しながら試作と続け・・・
そしてついに商品の食材として使われることとなりました。
このように、これまで「使える部分」を廃棄してしまっていた食材を商品食材として利用していくことで、お客様には変わらない味を提供することを保ちつつ、ロス削減のために試行錯誤を行っています。
フードシェアリングサービス「TABETE」のご紹介
そしてこのたび、金沢市がフードシェアリングモデルとして、株式会社コークッキングが展開するフードシェアリングサービス「TABETE」が導入されることとなりました。
「TABETE」のサービスコンセプトは、食品ロス削減に向けたプラットフォームです。
まだ安全で美味しく食べられるのに廃棄してしまう恐れのある食事を、消費者(食べ手)に1品から「美味しくてお得」に ”レスキュー” していただく仕組みです。
稼動当初は、東京都内からのスタートでしたが、この夏、2020年8月1日より、当社もモデル事業の一環として「芝寿し保古店」にて展開をすることとなりました!
TABETEでご利用いただけるほかの店舗様は、世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス広坂本店様やチャンピオンカレー(野々市本店・玉鉾店)様など・・・
そのほか様々な店舗が順次展開されています。
TABETEの詳しい仕組みについてはサイト( https://tabete.me/about )をご確認ください。
ご利用の際は、TABETEに会員登録を行っていただく必要がございます。
スマートフォン・パソコンで必要事項を入力のうえ、ご登録くださいませ。
※お支払いはネット上でのクレジット決済のみとなります。キャンセルは出来かねますのでご了承ください。
日本と世界の食品ロス量はどれくらい?
食品ロスの定義は地域や国によって異なってきますが、
「食べられるために作られた食料が、様々な理由で失われたり、捨てられたりしてしまうこと」を指します。
こちらの数値は、年間の食品ロス量です。
※単位:トン
年度 |
食品ロス量 |
一般家庭内での廃棄量 |
食品関連事業者での廃棄量 |
平成24年度(2012年) |
642万 | 312万 | 331万 |
平成25年度(2013年) |
632万 | 302万 | 330万 |
平成26年度(2014年) |
621万 | 282万 | 339万 |
平成27年度(2015年) |
646万 | 289万 | 357万 |
平成28年度(2016年) |
643万 | 291万 | 352万 |
出所:食品ロスの現状 平成24年度 - 平成28年度 / 農林水産省
日本国内のフードロス量は、2016年度調査では年間約643万トンと推計されており、そのうち一般家庭から発生する量は約291万トンにものぼります。
食品ロス量を日本の人口を1人あたりで計算すると、年間で約51kg
お米の消費量に換算すると、約54kg(お茶碗約365杯分)
※お茶碗1杯=約150gで算出
大型10トントラックを毎日1,770台分を廃棄しています。
食料が大量に生産・輸入されているにも関わらず、多くの食料を捨てており、ごみを廃棄するために処理も多額の費用がかかります。
(平成28年度の市町村ごみ処理経費は、なんと約2兆円・・・!)
可燃ごみとして燃やすことによって、CO2排出や焼却後の灰の埋め立てなどの環境負荷の問題も併せて考えられます。
世界では年間、食べるために作られた食料の3分の1<約13億トン> が捨てられています。
食べ残しや消費期限切れなどの「消費段階」が理由捨てられる食べ物が先進国では多くあります。
一方、発展途上国では農作物が豊富に採れても、保管ができなかったり、加工技術が不足している、輸送手段にかけるお金が足りないなどの理由で、「本来届けられるはずの人」に「届く前」に無駄になってしまいます。
世界では子どもが7人に1人が貧困で食べ物に困っている状況のなか、国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量は約320万トンとされています。
これは平成27年度の食品ロス量は食糧援助量の約2倍にも相当します。
参考情報https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html
食べずに廃棄してしまう・食品ロスを発生させてしまう状況を無駄なく、いかに大切に消費できるかが必要となってきます。
個人で食品ロス対策できること
家庭内でもいくつか対策できることもあります。
皮を切るときは厚く切りすぎないようにすることや、セールで食材を多く買ったときは新鮮なうちに冷凍をするなど、食材を使いきれるような工夫をしていくように心がけるようにするだけで家庭内の食品ロス削減に繋がっていきます。
私もよくやってしまいがちですがスーパーに並んでいる商品で、
「賞味(消費)期限が長いから・・・」
「奥のほうが新鮮だから・・・」
という気持ちから、奥に手を伸ばしてしまいがちの人もいらっしゃるのではないでしょうか?
その行動も積み重なってしまうと手前の商品だけが残ってしまい、破棄することになってしまいます。
消費できる時間を考え、期限内に使い切れそうならば手前のものから、少し時間をかけて使い切れそうなら奥のものから取るように意識をすることでも食品ロスの対策することもできます。
「基本的なこと?」と思われるかもしれませんが、
1人当たりのお茶碗1杯分が、世界で飢えに苦しんでいる人たちの命を救うことができると考えると、一人ひとりが小さな行動を積み重ねていくことは大きな力となり、削減へと繋がっていきます。
食品ロスについて、子供にも分かりやすく説明されているサイトがあります。
「世界食料デー」月間 呼びかけ団体様( https://worldfoodday-japan.net/ )のサイトもぜひご覧ください。
私たち食品を扱う業界では、完全な食品ロス対策は難しいといわれていますが、改善策のひとつとして、8月1日(木)から芝寿し保古店にて「TABETE」を開始させていただきます。
まだ食べられる食品を、ユーザーの皆さまに「TABETE」を通じてレスキューしていただければと思っております。